RIPARO
リパーロは、耐震性に優れた多種多様な部材を適材適所に配置することで、柔軟に耐震強度を高めることが可能です。 また、敷地ごとに地盤を調査し、最適な基礎づくりを行っています。
※主要な構造材
エンジニアリングウッドは、無垢材の不均一性からくる経年変化(割れ、ねじれ等)を抑えるため、欠点部位を取り除いた後、厚さ20mm~40mmのラミナにし、強力な接着剤で積層した構造用集成材です。 その特徴として、①天然木材と比較して強度に優れている②強度のバラツキがなく信頼性が高い③含水率が管理しやすいので(15%以下)、反り・割れ・縮みが生じにくく品質が安定している④加工性が良く様々な形状にできるので、自由度の高いプランニングが可能、などが挙げられます。
有害物質(ホルムアルデヒド)を含まない安全な接着剤を使用しています
現在、エンジニアリングウッドに使用されている水性高分子イソシアネート系接着剤はホルムアルデヒド放散等級F☆☆☆☆の認定品です。 また、JAS規定の耐水試験(浸漬剥離試験、煮沸剥離試験、減圧加圧試験)をクリアし、高い耐久接着性能を有しています。
壁面には、阪神・淡路大震災と同じ震度7にも耐える耐力面材「ダイライト」を採用しています。 力を面全体で受け止め分散させることで、変形や崩壊を防ぎ、万一の災害にも優れた強度を発揮します。 独立行政法人防災科学技術研究所において、実物大の家屋を使った振動実験を実施。 実験では、「筋交い工法」と「耐力面材」を施工した家屋に、阪神・淡路大震災と同じ振動を与えました。 その結果、「耐力面材」は震度7という極大地震の強い揺れにも倒壊せず、実際の住宅に施工した場合にも、優れた耐震性を発揮することが証明されました。
壁の強度は壁倍率で示されますが、強度の高い耐力壁を使えば耐震強度が高まるというわけではなく、それらをバランス良く配置することが重要です。 リパーロでは、多彩な強度の耐力壁を使い分け、適材適所に配置することで、デザイン性を損なうことなく耐震強度を高めることが可能です。 さらにプランによっては、部分的に鉄骨を使用するなど、素材にとらわれない柔軟な対応を行っています。
最高強度のベタ基礎を使用。大手鉄骨系住宅同等の強度で、建物の安定性を高めます。
建物の底部全面を板状の鉄筋コンクリートで支える「ベタ基礎」は、家の荷重を床版全体の「面」で受け止め、地盤やスラブに荷重を分散させます。 その結果、建物を「線」で支える一般的な布基礎に比べ一部が沈んだり、傾いたりしにくく、不同沈下や液状化を起こしやすい土地でも被害を軽減する効果を期待できます。 また、地面をコンクリートで覆うので、地面からの水蒸気や白蟻の侵入を防ぎます。
150mm厚のスラブを使用した強固なベタ基礎(20kN/㎥)
建築トラブルの半数以上が地盤によるものと言われています。 建物の耐震性がいくら高くても、基礎がいくら強固なものでも、地盤が弱いと不同沈下を起こし、家が傾いてしまいます。 このようなトラブルを防ぐため、建築にとりかかる前にすべての敷地において地盤調査を行います。 スクリューウェイト貫入試験(SWS試験)による綿密な地盤調査により、その地盤にどれだけの地盤支持力があるのかを分析します。 地盤事故要因のひとつ「土質」。 この土質を見極めるためにスクリュードライバーサウンディング試験(SDS試験)による調査を行い、高精度な土質分析を実施し沈下・変形のリスクの有無を判定します。 これらの結果に基づいて、一邸ごとに最適な基礎づくりを行います。
地盤調査の結果、「敷地が軟弱地盤である」と判断される場合は、地盤の性質に合わせて最適な方法で補強工事を行います。
耐震強度を維持するには、素材強度の確保はもちろんのこと、建物全体にかかる力のバランスをとることが大切です。 建物を面全体で支える「軸組+パネル」構造のリパーロは、必要な箇所に必要な強度の耐力壁をバランス良く配置する耐震・耐風構造設計で、地震と台風に強い住まいを実現します。
リパーロは、柱や梁による軸組の強度だけでなく、耐力壁・剛床・耐力屋根といった「面」の強化も追求。 壁・床・屋根の面を一体化し強固な立方体を形成することで、強い剛性を発揮する構造となっています。 地震や台風などの外力は、床から壁へと伝達。その力を変形しにくい「面」による立方体でしっかりと受け止めることで、優れた耐震性・耐風性を実現しました。
耐力壁は家を支える上で重要な役割を担う面材であり、その強さを「壁倍率」といいます。 また、建物の重さの中心(重心)と強さの中心(剛心)のズレの程度を「偏心率」といい、数値が小さいほど建物全体にかかる力のバランスが良い構造といえます。 逆に偏心率が大きいと力のバランスが悪い構造となり、地震や台風で水平方向の力が加わるとねじれが生じやすく、倒壊の可能性も高まります。
プレハプ住宅(パネル工法、ユニット工法など)の場合、大半が住宅性能評価に関する申請業務の合理化を図るために住宅型式性能認定(型式認定)を取得しており、強度が下回る耐カ壁の使用は認められていません。 そのため耐震補強を行う場合、有効壁量をクリアしているにもかかわらず偏心率を小さくするために、開口部周辺に耐カ璧を追加せざるを得なくなります。 その結果、開口部の減少などプランの制約を受ける上、有効璧量が過剰になりコストも割高になります。 一方、リパーロは型式認定をあえて取得せず、プランに適した壁量やバランスを考慮し、耐カ壁を設置しています。 よって、プランの制約を受けることなく有効壁量を確保することができ、最適なコストで建物の耐震性を高めることが可能です。 さらに、柱や梁の断面の大きさ、木材の強度、追加する金物を適切に判断し、一邸ごとに最適な耐震・耐風構造設計を行っています。